大学院共通講義「アジア農協論」第2回「源流としてのヨーロッパの協同組合」を実施 2018/5/21

大学院共通講義「アジア農業協同組合論」の第2回目が5月21日に北大農学部S404で実施されました。農林中金総合研究所の小田志保氏さんが「源流としてのヨーロッパの協同組合」をテーマに講義されました。

授業では、1900年に制定された産業組合法がドイツの協同組合法(1889年の産業経済組合法)を母法としていることから、欧州の農協を源流ととらえ、その発展と現段階を理解することを目的としました。

そのため、まずはEUの農業の概要と販売事業を中心としたEUの農協についての紹介がありました。その後、19世紀末のドイツとフランスの農協の発展過程を踏まえながら、EUの農協の事業展開と北西部に位置する大規模農協の今日的課題について説明しました。最後に、酪農協同組合であるDMKグループの事例を取り上げ、大規模農協の課題についての補足がありました。

前回の授業に引き続き、大学院生のほか、オブザーバー参加としてJAバンク北海道サポート基金からお2人が受講されました。

次回は5月28日(月)に当研究室のスタッフ、小林国之氏により「日本:総合農協の出生と軌跡」をテーマにした授業が行われる予定です。


20180521

大学院共通授業「アジア農業協同組合論」開講 2018/5/14

大学院共通授業「アジア農業協同組合論」が5月14日(月)に開講しました。この授業は当研究室の前期活動として、5月14日から7月2日にかけ、毎週月曜日13時00分から16時15分まで農学部S32講義室が行われます。2016年、2017年に引き続き3年目を迎えている今年度は、これまでのヨーロッパ、日本、韓国、中国、ベトナム、キルギスにタイが加わり、より多様な世界各国の農協についての情報を発信できると期待しています。

初めての授業では、当研究室のスタッフである坂下明彦氏により、「アジアにおける農協の展開とその論理」というテーマで、西欧・アジアを中心とした農村協同組合の世界的展開と東アジアの総合農協の多様性についての説明がありました。

大学院生のほかアドバイザリー委員のJAバンク北海道サポ-ト基金の次田専務と高橋事務局長も聴講されました。

次回は5月21日(月)に農林中金総合研究所の小田志保氏を招き、「源流としてのヨーロッパの協同組合」をテーマに授業が行われます。


20180514

くりやま地域大学で講演 2018/2/23

2.23-2

栗山町教育委員会からの依頼により、2018年2月23日に行われたくりやま地域大学において当研究室のスタッフである坂下明彦氏が講演を行いました。くりやま地域大学は、普段聞くことが出来ない大学の先生等の専門家のお話を栗山町で聞ける勉強会として、栗山町教育委員会が主催しました。今回の講演には32名が参加しました。

講演のタイトルは「栗山町の農村の成り立ち」であり、まず、栗山町と北大・坂下明彦氏とのかかわりについての紹介がありました。その後に、栗山町の農業・農村の成り立ちを①農場制による村の開発、②農事実行組合型村落の形成、③稲作の形成と地帯構成、④園芸の展開と競争社会の視点から説明しました。特に、農場制による村の開発が栗山町の農業・農村において大きな特徴だと強調しました。

最後に、北海道第1号を誇る栗山町農業・農村の出来ことを説明しながら、町内で行われている限界集落への対応を踏まえ、栗山町農業・農村の特徴をまとめました。

講演後の質疑応答では、多数の参加者から聞いたことのない栗山町の農業・農村の歴史を振り替えてもらったので非常にいい勉強になった等の声がありました。


2.23-1

JAさっぽろとともに協同組合講座特別講義を開催 2018/2/17

当研究室は2月17日(土)16時から北大農学部S31教室でJAさっぽろと共催で協同組合講座特別講義を開催しました。この講義は2018年からJAさっぽろの協力で行う市民講座の前段として企画されたものです。地域連携経済学研究室の小林国之先生が講師をつとめた今回の講義にはJAさっぽろの組合員さん9人、JAさっぽろの職員11人、当研究室のスタッフおよびアドバイザリー委員4人、計24人が受講しました。

まず、JAさっぽろ経営企画室長である丸岡晃氏によるあいさつがあり、その後、小林国之先生から「知っていますか?」 わたしたちの食とくらしを支える農協のこと」をテーマとする講義が行われました。

講義は「皆さんと農協とのかかわり?」、「なぜ総合農協?」、「協同組合って何?」、「農協改革?」を主要内容とし、まとめとして儲かる農業づくりや教育活動・地域活動を通じた食と暮らしをささえる農協の未来についての説明がありました。

前半では、農協についてのイメージ調査結果から出されたキーワードについて紹介され、参加組合員さんに対し農協とのつながりについて質問としながら、組合員さんの興味を高めました。その後、農協の生い立ちを説明しながら総合農協になった理由について説明しました。そして、日本農協は「総合主義」、「網羅主義」、「属地主義」、「行政補完的機能」の特徴をもちながら、制度としての農協になっていることを紹介しました。

後半では、協同組合の定義、原則、性格について説明した上で、近年問題になっている農協改革について統計資料を用いながら、主要論点などについて説明がありました。最後に、農村での生活インフラ形成、地域とのつながりとして実施している文化活動などを紹介しながら、農協そのものが身近なところに存在する組織であることを強調し、そのためには組合員1人1人が主役でお互いに助け合うことが重要であると述べられました。

講義終了後には北大構内にある北大マルシェカフェ&ラボに移動し、懇親会を行いました。この交流会には受講者ほぼ全員が参加し、農協だけでなく農業などの多様なテーマについて活発な議論を行い、お互いの交流を深めました。


公開講演会「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」を開催 2018/1/22

当研究室では1月22日13時から北大農学部W109講義室で公開講演会を開催しました。講演会には学生を含め大学院生、研究者、農協の関係者など計70名以上が集まりました。

講演会のテーマは、最近、農協の事業展開において独禁法適用除外問題が大きな話題となっていることから。「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」としました。講師は農協の独禁法適用除外問題を長年の間研究され、最近、『反トラスト法と協同組合』を執筆された福島大学名誉教授高瀬雅男先生にお願いしました。

高瀬先生は最近の農協に対する公正取引委員会による法運用には、「個々の事例に対する独禁法適用は適切か」と「適用除外制度の目的からみて適切なのか」の2つの問題があり、それについて検討するためには①適用除外制度の母法であるアメリカの反トラスト法適用除外立法の適用除外の根拠と範囲、②排他的販売契約の適法性を検討する必要があるとしました。

講演会の前半では、独禁法の目的と体系が述べられた後に、協同組合のための独禁法適用除外の必要性をアメリカにおける協同組合運動の展開と関連付けて説明しながら、農協の独禁法適用除外においての解釈の方向性は内部行為適用除外の方向で解釈すべきであることを強調しました。

続いて、後半には土佐あき農協事件と阿寒農協事件を事例としながら、公正取引委員会の法適用についての見解を明らかにしました。特に、農協の専属利用契約は契約期間を数年から10年とし、年に1回契約を離脱する機会を保障し、実損程度の損害賠償額を予定すれば、公正競争に対する阻害性がなく強化すべきだとしました。

最後には、聴講者から質疑応答を行い、農協への独禁法適用除外についての活発な議論の場となりました。

講演会終了後には、2017年度第2回アドバイザリー委員会が開催され、当研究室の今年度の活動実績と次年度の計画について報告されました。さらに、活動内容についての様々なコメントを頂きました。


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「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」を開催予定 2018/01/22

協同組合のレーゾンデートル(農林中金寄附講座)では以下のような公開講演会を開催いたします。

○公開講演会「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」

・講演者:福島大学名誉教授 高瀬 雅男氏
・日時:2018年1月22日(月)13:0015:00
・場所:北大農学部 W109講義室

【背景】
■農協の存在を揺るがすような政治的な攻勢が強まっています。そのなかで、公正取引委員会による農協の事業に対する行政命令・指導・注意などの連発が目につきます。

■農協事業は中小規模の農家のための事業なので、独禁法の適用除外を受けているにも関わらずです。適用除外には不公正な取引方法を用いた場合には除外を解除するという「ただし書」があり、公取委はそれを盾にしているようです。

【講演の内容】
■農協にはなぜ独禁法の適用除外がなされてきたかを、アメリカのアンチトラスト法に遡って解説します。
■日本の独禁法のなかでの適用除外の意味と公取委の法の運用について検討します。
■最近の公取委による農協への行政命令や勧告、注意などが法の運用上どのような問題があるかを解説します。
△高知県土佐あき農協に対する共販組織をめぐる排除措置命令
△北海道の阿寒農協に対するMMJへの生乳出荷をめぐる「注意」
■農協への全量出荷(専用契約)を適用除外すべきことを論じます。

【高瀬先生のプロフィール】
1945年栃木県生まれ。東京都立大学法学部卒業、同社会科学研究科博士課程中退。
鹿児島大学、高知大学を経て福島大学助教授・教授。2011年に定年退職。専攻は経済法。
著書に「協同組合と独占禁止法の新展開」日本経済法学会編『経済法講座1巻』2002、
高瀬雅男『反トラスト法と協同組合』日本経済評論社、2017(今回の参考文献)など。

京都大学の寄附講座との連携で高慧琛さんが講演 2017/12/2

2017年12月2日、京都大学大学院農学研究科寄附講座「農林中央金庫」次世代を担う農企業戦略論第12回(秋期)シンポジウムは京都大学農学部総合館W100で「地域が/を支える先進的農業経営体」をテーマとして開催された。

本研究室の高慧琛さんは「中国におけるCommunity-supported Agriculture(CSA)」のタイトルで講演を行い、中国の農業生産者と消費者の関係の新たな構築について詳しく紹介した。また、北海道における同様の動きについても言及し、CSAの重要性を強調した。

その後のパネルディスカッションでは、京都の先進農業経営体(野村牧場・㈲亀岡牛人見畜産)の代表者がシンポジウムのテーマにかかわって報告を行い、㈱農林中金総合研究所の若林剛志氏がそれについてコメントを行った後、出席者全員が活発な討論を展開した。


栗山町で学生受け入れ農家などとの懇談会 2017/11/24

7月に実施された農家泊まり込み研修を受け入れていただいた農家、関係者との懇談会が11月24日に栗山町で開催されました。受け入れ農家、栗山町、農業振興公社、農協などの皆さんと農業経済学科の7名の教員(坂爪、柳村、近藤、坂下、澤内、清水池、高)が懇談しました。今回は1997年開始から20周年でもあり、みなさんからさまざまなトピックスなどが披露されました。受け入れ条件は厳しくなっているものの、今後も継続していくことが確認されました。なお、今年度中に20周年記念誌を発行する予定です。


北大調査実習受入農家等懇親会

第24回日韓シンポジウム・第11回東アジア農業シンポジウムを開催 2017/10/22~25

10月22日から25日の日程で北海道大学で行われた第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムにおいて当研究室が事務局を担当しました。日韓シンポジウムは韓国の(社)江原道農山漁村未来研究所と日本の北海道農業研究会が、両国の農業及び農村の発展のために1993年から毎年定期的に相互開催している学術交流で、本年度で第24回目を迎えました。また、2006年からは中国東北地方の研究者も参加する「東アジア国際農業シンポジウム」を兼ねて実施しています。

韓国から9名、中国から12名、そして多数の日本の研究者が参加した今回の日韓シンポジウムは、「農業労働力問題の現状と対応方策」をテーマとし、3カ国の農業部門において重要な課題となっている農業労働力問題について議論しました。

22日に行われたシンポジウムでは、日本の宮入隆氏(北海学園大学)が「北海道農業における外国人技能実習生の受入実態と課題」を、韓国の李尙炫氏(江原大学)が「Employment Status of Foreign Workers in Agricultural Sector and Issues」を、中国の李旻氏(瀋陽農業大学)が「The Influence of Human Resource Capacity on Occupational Mobility of Female Migrant Workers – Evidence from Liaoning Province」をテーマにして基調講演をしました。なお、若手セッションでは5件の報告がありました。当研究室からは、高慧琛「Organic farming in a Chinese metropolis: A general framework for unpacking the glocalization」、王エン「Present condition and problem of family support in rural China: Southern Jiangsu Province -A case study of Kaixiangong Village-」が参加しました。シンポジウムでの報告論文及び投稿論文は論文集(英語)としてまとめ発刊・配布しました。

23日には当別町の篠津中央土地改良区「泥炭資料館」とさっぽろさとらんどを訪問し、北海道における土地改良の状況と農業体験の実状についての説明を受けました。

第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムの開催に当たり、後援を頂いた北海道地域農業研究所とJAバンク北海道サポ-ト基金にお礼を申し上げます。

なお、今回をもちましてこれまでの形式による日韓シンポジウムの札幌開催は終了しました。


報告論文及び投稿論文は論文集

JICA キルギスの農民組織化コースを実施 2017/10/04~26

中央アジア地域農民組織強化プログラムでは、2016年に続き二回目になるキルギス単独のコースを実施しました。メンバーは、キルギス協同組合連合(Cooperatives Union of Kyrgyzstan:CUK)、キルギス国立農業大学、農業食糧省から各1名、3農協(イシククル有機農協、コチコル・ロジスティック農協、ザニル・ヌー農協)から1名ずつ、そしてキルギス野菜種子プロジェクト(Kyrgyzstan Vegetable Seeds : KVS)から6名(3名職員、3名組合員)の12名です。5月の研修と同様に10月3日から26日の約1カ月の研修期間で、さまざまな先生方の講義を受けたり、農家や農協、中央卸売市場、中古機械の販売所、試験場などの見学を行ったりしました。

コース長の坂下明彦氏は、まる1日かけて農協の講義を行い、3度にわたってコース修了後に提出するアクションプランの指導に当たりました。また、ようてい農協や合併直後の振興計画に関わったというとうや湖農協の組合員への視察にも同行もしました。指導の中では、各自の状況の把握も行われ、キルギスの各農協関係機関の現在の状況を知ることができました。

通常の研修コースよりも多い人数でしたが、一国での開催ということで終始和やかな雰囲気でまとまりがあり、質問の量も多く、その内容も具体的で、真剣さが伝わりました。また、研修員同士の交流・議論も深まった様子で、講義の内容も人間関係も今後にかなり活かされそうなアクションプランとなりました。これらを反映させるために、今回は新しい試みとして12名のアクションプランを一つの報告書にまとめることにしました。来年の2月に再び我々が現地を訪れるときには、報告書の発表を行う予定です。

(星野あかり)


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