研究本の出版

ご紹介させていただきます。

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紹介
「農協の発展と存在感」 「農協をめぐる新たな動向」「新たな労働力移動の波」「東アジアにおける協同組織の展開」「マスコミと農協・消費者」のテーマで変化の中での北海道の農業協同組合の新たなかたちなど語る。

目次
はじめに─農協と人口問題 (坂下明彦)
第1部 農協の発展と存在感 
Ⅰ 合併農協における新しい組織力 (小林国之・河田大輔)
1 合併農協における新しい組織力
2 農協合併メリットの見える化 
3 人を核とした組織力醸成への挑戦 
Ⅱ 農業の企業化と農協の新たな機能─採卵養鶏業を対象として (大森隆・坂下明彦)
1 採卵養鶏業の近代化と養鶏団地
2 鶏卵のフードシステムと生産主体の寡占化
3 採卵養鶏業の戦略とホクレンの役割 
Ⅲ 経済連存続の経済学 (藤田久雄・坂下明彦) 
1 独立経済連への道程 
2 独立系経済連の事業の優位性 
3 独立系経済連における県域機能の発揮
第2部 農協をめぐる新たな動向
Ⅰ 北海道の農協の到達点と意義 (正木卓) 
1 生活インフラ形成と農協の役割
2 ワンステップ進んだ農業振興の姿 
3 専門農協からみた協同組合の存在意義
Ⅱ 先進的農家の自主的研究会と農協営農指導の再構築 (中村正士)
1 水稲直播栽培技術の普及─いわみざわ農協
2 とうや湖農協の危機を救った自主的研究会 
Ⅲ 農協女性部の現状と可能性 (高橋祥世) 
1 北海道の地域特性と農協女性部のあり方 
2 女性部活動の最先端 福岡県にじ農協
Ⅳ 青果物流通企業の新機能 (渡辺康平)
1 インショップで地場産を売る漂流岡山
2 生産者と実需情報を共有するクロスエイジ 
3 青果物流通企業の成立条件
第3部 新たな労働力移動の波
Ⅰ 都市から農村への新しい移住形態 (鄭龍暻)
1 帰農と帰村の間─余市への移住
2 トマト団地での新規就農─平取町振内での受け皿組織
Ⅱ 労働者として農村へ (福澤萌)
1 全国から富良野での就業を求める若者
2 農業で働く意志─酪農ヘルパーの世代格差
Ⅲ 国際的にも進む労働力移動─中国朝鮮族 (李雪蓮) 
1 外国人労働力の受入─韓国への朝鮮族のUターン
2 中国と韓国の間─中国朝鮮族の立ち位置
第4部 東アジアにおける協同組織の展開
Ⅰ 養豚経営協同組織化の日韓比較 (申錬鐵) 
1 養豚経営の企業化と農協
2 専門農協的な生産者出資型インテグレーションの展開
3 韓国における養豚専門農協の事業展開
Ⅱ FTAに対抗する韓国の広域販売農協連の展開 (黄盛壹・坂下明彦) 
1 農協連合会の再編と広域販売連の設立
2 ふたつの先進広域連の到達点 
Ⅲ 中国における有機農業の展開とその主体 (高慧琛・朴紅) 
1 中国における有機農業の展開と農民専業合作社 
2 中国でのCSAの展開と合作社
3 有機農業とアグリビジネス 
第5部 マスコミと農協・消費者
Ⅰ 「ガイアの夜明け」のケーススタディ (清水池義治・坂下明彦) 
1 指定団体制度を既得権益の問題に矮小化 
2 全てを指定団体に結び付け問題の本質を回避
3 指定生乳制度改革と農協共販
4 その波紋─公取による阿寒農協への「注意」 
Ⅱ 倫理的消費を拡大する (山本謙治)
1 倫理的消費の拡大と社会的受容層 
2 日本で倫理的消費を拡大するために何が必要か 
おわりに─変化の中での農協の新たなかたち (坂下明彦) 
あとがき

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研究室からの発信

協同組合学公開講座

協同組合学公開講座

北大の協同組合のレーゾンデートル研究室は2016年に農林中央金庫からの寄附講座として新設された研究室です。協同組合についての多様な情報を発信することを目指しています。2019年度はJAさっぽろと連携し、JAさっぽろの組合員さんに北大のイベントなどに参加してもらいながら、協同組合について考える場を提供する公開講座を開催することにしました。

「北大を散策しながら農協を考える」では、知っているようで知らない協同組合(農協)について北大の先生などがやさしく解説し、その存在意義(レーゾンデートル)について理解を深めていただきたいと思います。

講座では、協同組合組織における生産と消費の単位であるファミリー(家族)、北海道で全国生産量1位を誇るミルク(牛乳)、我々の食生活に欠かせないミート(食)、北海道の産業を支えているアグリ(農業)、日本を含めて東アジアに広がる有機農業、それぞれについて農協と関連付けてお話しします。

北大のイベントへ参加や施設見学を行いながら、協同組合について考えませんか?

皆様のご参加をお待ちしております。

【1回目】
<第1部>
日時:2019年6月8日(土)13:00~14:00
イベント:北大祭
自由に北大祭会場を歩きながら、留学生が作った世界各国の料理、学生の手作り料理などを楽しむことができます。
会場:北大構内 北大祭会場

<第2部:講義>
日時:2019年6月8日(土)14:00~15:30
会場:北大農学部 中講堂
講師:北海道大学大学院農学研究院 坂下明彦 先生
テーマ:「ファミリー:協同組合における生産と消費のユニット」
協同組合はいったい何なのか、なぜ必要なのかを含め、協同組合、特に農協において、農業生産と消費の単位である家族についてお話をします。
【2回目】
<第1部>
日時:2019年7月27日(土)13:00~14:20
イベント:札幌農学校第2農場(モデルバーン)見学
明治時代に北海道の近代的な大規模な有畜農業を探り入れた拠点である札幌農学校第2農場(モデルバーン)を解説とともに見学します。
会場:札幌農学校第2農場(モデルバーン)

<第2部:講義>
日時:2019年7月27日(土)14:30~16:00
会場:北大農学部S302 農業経済学科 会議室
講師:北海道大学大学院農学研究院 清水池義治 先生
テーマ:「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接にかかわっている農協」
ミルク王国北海道。ミルクの生産、加工、流通にとって農協はどんな仕事をしているのか、その意味についてお話しします。
【3回目】
<第1部>
日時:2019年8月17日(土)13:00~14:00
イベント:北大マルシェ
北大マルシェとは、毎年8月に北海道大学農学部で行われる食と農のイベントです。食の安全・安心をテーマに、学生が準備・企画・運営を行っています。
会場:北大 農学部前 マルシェ会場

<第2部:講義>
日時:2019年8月17日(土)14:00~15:30
会場:北大農学部S302 農業経済学科 会議室
講師:北海道大学大学院農学研究院 申錬鐵
テーマ:「ミート:日本の養豚の成長と農協の役割」
我々の食生活に欠かせない「ミート」。北海道での肉類消費のうち、1位を占める豚肉について、農協の事業とその役割についてお話しします。
【特別企画】
日時:2019年9月7日(土)13:05~14:05
会場:共済ホール(JAさっぽろ准組合員コンベンション)
講師:北海道大学大学院農学研究院 小林国之 先生
テーマ:「アグリ:もっと知ろう!農と食と農協のこと」
北海道のメイン産業である「農業(アグリ)」。
農業を維持・振興するために農協が実施している仕事などについてお話しします。
【4回目】
<第1部>
日時:2019年10月26日(土)13:00~14:20
会場:北大総合博物館
北大の総合博物館は、北海道の貴重な歴史や大学が所有する様々な展示品を見ることができます。

<第2部:講義>
日時:2019年10月26日(土)14:30~16:00
会場:北大農学部S302 農業経済学科 会議室
講師:北海道大学大学院農学研究院 高ケイチン 先生
テーマ:「東アジア:日本・中国に広がる有機農業」
農業の話題となっている有機農業は日本だけではなく、東アジアにも広がっています。この講義では日本と中国の有機農業について協同組合と関連づけてお話しします。

栗山町で学生受け入れ農家などと懇談会を実施 2018/11/30

7月に実施された農家泊まり込み研修を受け入れていただいた農家、9月のJAそらち南農協インターンシップに協力していただいた関係者との懇談会が11月30日に栗山町で開催されました。受け入れ農家5名、栗山町・農業振興公社から7名、農協の関係者2名の皆さんと農業経済学科の6名の教員(坂下明彦、柳村俊介、坂爪浩史、東山寛、小林国之、申錬鐵)、計18名が参加しました。

懇談会では、初めて農家泊まりグループと合宿グループに分けて農家実習を行ったことについて多様な意見や感想が披露されました。さらに、20年を越える長い歴史をもつ栗山農家実習を今後とも継続していく必要性についてたくさんの方から語られました。

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キルギス共和国における農協調査を実施 2018/11/10~18

中央アジアの農民組織の強化に関するJICA研修コースにより、帰国研修員のフォローアップを目的とした現地調査を行いました。期間は11月10日から18日までで実質滞在はおよそ一週間、場所は主にキルギス共和国北部のイシククル州でした。調査団の団長は坂下先生で、団員は小林先生、㈱アジア地域連携研究所の中村氏、ロシア語通訳の野村氏、北大院生の星野の計5名です。

11日夜に首都ビシュケクに到着し、翌日には農業省や農業大学を訪問、13日には首都近郊にある農協の役員であるカシム氏から現在の取り組みについて聞きました。現在のキルギスの農政では、国の農業発展に需要な役割を持つ組織として農協を位置づけているが、それは土地集積・規模拡大を目的とした色が強く、現場で活発となっている動きとは少し異なったもののようでした。農業大学は今年のICAのフォーラムへの参加をきっかけにワーキンググループを作り、農協組織の普及拠点となる「情報・研修・コンサルティングセンター」の設置の実現へと大きな一歩を踏み出していました。

13日午後からは車で7時間ほどかけてイシククル州カラコル市に移動し、翌日から周辺の3つの農協に調査に行きました。初めに訪れた「アクドボ農協」は3つの村の男女28名が組織されている農協です。前身がボランティアの組織であったため事業はまだ確立されてはいませんでしたが、民主的な運営を心掛けている組織でした。次に伺ったのが「イシククリ有機農協」です。外国の支援機関の資金により3郡にまたがって組織された女性中心の農協で、今まで主にドイツからの有機ハーブの需要に応えてきましたが、今年からその契約が打ち切られ、販路確保に奔走しているところでした。「イチュケス農協」は、研修員のイシェム氏が作った農協で、主にリンゴの販売を行っています。今回はリンゴの倉庫の見学と、ジュース会社による加工や新しく植えたリンゴの苗の話を聞き、事業が年々活発になっていることがわかりました。

最後にキルギス協同組合連盟(CUK)との話し合いでは、このように活発に動いている農協が同じ方向を向いて協力し合えるように州段階の連合会が必要という意見が出され、そのための農協フォーラムを来年イシククル州で行うことが提案されました。私たち調査団も、今まで集めた個々の農協の質的なデータをまとめ、各地域ごとの農協の類型化を図りたいと思います。

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JA事業展開についての聞き取り調査を実施 2018/11/6

農林中央金庫総合研究所の3名、JAバンク北海道サポ-ト基金の2名、当研究室のスタッフの2名、計7名は11月28日から29日にかけて、北海道十勝地方に所在する更別農協と陸別農協を訪れ、JA事業展開についての聞き取り調査を実施しました。

28日午後からの更別農協の聞き取りでは、管内の農家と後継者・新規就農者の参入状況、そして、コントラクター事業などの外部農業支援組織の設置状況を踏まえた農協の農業振興計画と中期経営計画について説明を受けました。その後、大規模化が進展している農家に対する営農指導の内容と組合員の高齢化と担い手減少に伴う、農地流動化の状況とその課題についての質問がありました。

翌日の午前からは陸別農協に移動しました。陸別農協では、更別農協と同様に、農協の農業振興計画と中期経営計画について説明を受けました。その後、場所を移り、農協出資法人(株)ユニバースに訪問し、設立・運営、組織体制のほか、省力化を可能とする機械体系の特徴点、作業体制、労務管理などの飼養管理についてのお話を伺いました。

 

韓国組合共同事業法人代表らと当麻農協を訪問 2018/11/6

2018年11月6日(火)に当研究室のスタッフ(坂下明彦教授、申錬鐵特任准教授)は組合共同事業法人代表3名とスイカ選別機会社の職員2名で構成された韓国の視察団とともにデンスケスイカの生産と流通についての聞き取りのため当麻農協に訪問しました。

韓国の組合共同事業法人とは、農協中央会の信用事業と経済事業の分離という事業構造再編に伴って、経済事業の活性化を図る取組みの一つですが、具体的には、単位農協の経済事業を連合して法人格をもつ広域販売連合会を設立し、それを通じて農産物販売を行うことです。

今回の視察団は韓国全羅北道でスイカ産地を形成していることから、当麻農協が実施しているデンスケスイカの産地形成と販売システム、高品質・高ブランド化戦略などについて説明を受け、現地の事情を踏まえた活発な質疑応答が行われました。

公開講座「北大を散策しながら農協を考える」第4回「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接にかかわっている農協」を開催 2018/10/27

第4回公開講座が2018年10月27日に行われました。計14名が参加した今回の講座は「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接にかかわっている農協」がテーマで、第1部の北大施設見学と第2部の講義に構成しました。

第1部は、北海道酪農業の振興に大きな役割を果してきた札幌農学校第2農場(モデルバーン)の見学でした。北大総合博物館の協力の下で、近藤誠司名誉教授よりモデルバーンの設立から各施設の紹介などの説明を聞きながら施設見学を行いました。

第2部では、農学部S302会議室に移動し、清水池義治講師より講義を受けました。講義では、まず、多様な牛乳・乳製品の種類について紹介した後、牛乳・乳製品の消費動向および北海道での生産量についての説明がありました。その後、現在の北海道酪農を都府県の酪農と比較しながら特徴づけました。最後には、生乳の流通を踏まえながら、農協による生乳共同販売の必要性と特徴に語り、生乳の安定供給のための農協による公平な配分が最も重要であると強調しました。

第5回公開講座は2019年2月23日(土)に行う予定です。