栗山町で学生受け入れ農家などとの懇談会 2017/11/24

7月に実施された農家泊まり込み研修を受け入れていただいた農家、関係者との懇談会が11月24日に栗山町で開催されました。受け入れ農家、栗山町、農業振興公社、農協などの皆さんと農業経済学科の7名の教員(坂爪、柳村、近藤、坂下、澤内、清水池、高)が懇談しました。今回は1997年開始から20周年でもあり、みなさんからさまざまなトピックスなどが披露されました。受け入れ条件は厳しくなっているものの、今後も継続していくことが確認されました。なお、今年度中に20周年記念誌を発行する予定です。


北大調査実習受入農家等懇親会

第24回日韓シンポジウム・第11回東アジア農業シンポジウムを開催 2017/10/22~25

10月22日から25日の日程で北海道大学で行われた第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムにおいて当研究室が事務局を担当しました。日韓シンポジウムは韓国の(社)江原道農山漁村未来研究所と日本の北海道農業研究会が、両国の農業及び農村の発展のために1993年から毎年定期的に相互開催している学術交流で、本年度で第24回目を迎えました。また、2006年からは中国東北地方の研究者も参加する「東アジア国際農業シンポジウム」を兼ねて実施しています。

韓国から9名、中国から12名、そして多数の日本の研究者が参加した今回の日韓シンポジウムは、「農業労働力問題の現状と対応方策」をテーマとし、3カ国の農業部門において重要な課題となっている農業労働力問題について議論しました。

22日に行われたシンポジウムでは、日本の宮入隆氏(北海学園大学)が「北海道農業における外国人技能実習生の受入実態と課題」を、韓国の李尙炫氏(江原大学)が「Employment Status of Foreign Workers in Agricultural Sector and Issues」を、中国の李旻氏(瀋陽農業大学)が「The Influence of Human Resource Capacity on Occupational Mobility of Female Migrant Workers – Evidence from Liaoning Province」をテーマにして基調講演をしました。なお、若手セッションでは5件の報告がありました。当研究室からは、高慧琛「Organic farming in a Chinese metropolis: A general framework for unpacking the glocalization」、王エン「Present condition and problem of family support in rural China: Southern Jiangsu Province -A case study of Kaixiangong Village-」が参加しました。シンポジウムでの報告論文及び投稿論文は論文集(英語)としてまとめ発刊・配布しました。

23日には当別町の篠津中央土地改良区「泥炭資料館」とさっぽろさとらんどを訪問し、北海道における土地改良の状況と農業体験の実状についての説明を受けました。

第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムの開催に当たり、後援を頂いた北海道地域農業研究所とJAバンク北海道サポ-ト基金にお礼を申し上げます。

なお、今回をもちましてこれまでの形式による日韓シンポジウムの札幌開催は終了しました。


報告論文及び投稿論文は論文集

JICA キルギスの農民組織化コースを実施 2017/10/04~26

中央アジア地域農民組織強化プログラムでは、2016年に続き二回目になるキルギス単独のコースを実施しました。メンバーは、キルギス協同組合連合(Cooperatives Union of Kyrgyzstan:CUK)、キルギス国立農業大学、農業食糧省から各1名、3農協(イシククル有機農協、コチコル・ロジスティック農協、ザニル・ヌー農協)から1名ずつ、そしてキルギス野菜種子プロジェクト(Kyrgyzstan Vegetable Seeds : KVS)から6名(3名職員、3名組合員)の12名です。5月の研修と同様に10月3日から26日の約1カ月の研修期間で、さまざまな先生方の講義を受けたり、農家や農協、中央卸売市場、中古機械の販売所、試験場などの見学を行ったりしました。

コース長の坂下明彦氏は、まる1日かけて農協の講義を行い、3度にわたってコース修了後に提出するアクションプランの指導に当たりました。また、ようてい農協や合併直後の振興計画に関わったというとうや湖農協の組合員への視察にも同行もしました。指導の中では、各自の状況の把握も行われ、キルギスの各農協関係機関の現在の状況を知ることができました。

通常の研修コースよりも多い人数でしたが、一国での開催ということで終始和やかな雰囲気でまとまりがあり、質問の量も多く、その内容も具体的で、真剣さが伝わりました。また、研修員同士の交流・議論も深まった様子で、講義の内容も人間関係も今後にかなり活かされそうなアクションプランとなりました。これらを反映させるために、今回は新しい試みとして12名のアクションプランを一つの報告書にまとめることにしました。来年の2月に再び我々が現地を訪れるときには、報告書の発表を行う予定です。

(星野あかり)


Kirugisu

そらち南農協でインターンシップを実施 2017/09/25~29

学部2年生の授業である「協同組合学」(坂下明彦担当)の一環としてそらち南農協でインターンシップが実施されました。2017年9月25日から29日にかけて行われた今回の農協インターンシップでは授業受講者30名(うち韓国人交換留学生2名)が参加し、参加者30名は2つのグループに分かれ、第1班は9月25日から27日まで、第2班は27日から29日までの日程で研修を行いました。

各グループは収穫支援、種イモ選別場、営農指導巡回等、農協の事業ごとに班を設け、参加学生はそれぞれの班に配属して研修を受けました。例年は米施設での研修を行っていましたが、今回は圃場条件が悪く機械収穫のできない4haの生食用「とうきび」の収穫支援の仕事が急きょ飛び込んできました(第一班)。第二班年はその選別・箱詰めの一部のお手伝いをしました。を米の収穫時期が遅れ、米施設での研修が難しく、トウモロコシ収穫を支援する研修となりました。これは予想外でしたが、農協が農家の作業リスクに対して直接支援している実態を経験できたことは要な意味があると考えています。

インターンシップの終了後、「協同組合学」の授業では個人・班ごとの研修内容とそれに伴う感想を発表する機会を設けており、その内容は冊子として発行する予定です。

今年のそらち南農協でインターンシップも例年のように、そらち南農協の関係者の皆様の格別な配慮の下で、大きな事故なしで無事に終了することができました。また、栗山町農業振興公社についても宿泊施設の提供をして頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。


協同組合学研究室の高橋祥世さんが日本協同組合学会誌奨励賞を受賞 2017/09/23

2017年9月22日から3日間にわたり徳島大学で開催された日本協同組合学会第37回大会において、協同組合学研究室の博士後期課程 高橋祥世さんが学会誌奨励賞を受賞しました。この賞は日本協同組合学会の学会誌『協同組合研究』への40歳以下の会員の積極的な論文投稿をうながすために今年から創設されたもので、高橋さんは受賞第1号となりました。

受賞論文「農協の総合的事業展開における女性部再編の意義-福岡県にじ農協を事例として-」(『協同組合研究』第36巻第1・2号合併号に掲載)は農協における女性部の役割を農協の事業展開に積極的に位置づけ、その意義を提起したものです。

申錬鐵著『養豚経営の展開と生産者出資型インテグレーション』が日本農業経営学会賞奨励賞を受賞 2017/09/15

2017年9月14日から3日間にわたり九州大学の西新プラザ・伊都キャンパスで開催された2017年度の日本農業経営学会において、申錬鐵氏が学会賞奨励賞を受賞しました。

著書『養豚経営の展開と生産者出資型インテグレーション』は、博士論文をまとめたもので、家族養豚経営が多様なかたちで展開している実態に注目し、その中での生産者出資型インテグレーションと位置づけた経済システムと家族養豚経営の展開についての関係性を解明したものです。


A1SaghM+UBL

韓国における農協販売事業についての調査 2017/09/08~17

協同組合のレーゾンデートル研究室では2017年9月8日から17日まで韓国の農協販売事業についての現地調査を行いました。この調査には北海道大学の坂下明彦・朴紅、申錬鐵・黄成壹・峰尾光人、弘前大学の正木卓の6名が参加しました。

韓国では農協中央会の組織・事業再編と同時に、農協の販売事業の強化・拡大をめざしています。中央会主導の連合事業団方式から始まり、現在では組合共同事業法人の設立が進んでいます。北海道でもかつては広域販売事業連合会がマーケティング戦略のひとつとして考えられました。しかし、現在では農協合併によりほとんど存在していません。こうした経験も踏まえながら今回はさまざまなタイプの農協の動きを調査しました。対象農協は、全羅北道の茂朱郡・南原市、慶尚南道の晋州市、江原道の春川市・平昌郡の連合事業団および組合共同事業法人であり、それぞれの設立経緯と販売事業展開上の特徴等について聞き取り調査を行いました。

中央アジア キルギス現地調査 2017/08/20~31

JICA北海道(札幌)の中央アジア地域農民組織強化研修の一環として、キルギスの農協の状況把握と助言のために、坂下明彦・中村正士・星野あかり(北海道大学)、高橋義博(元長沼農協職員)、野村潤也(ロシア語通訳)の5名は、8月21~29日の9日間、キルギスを訪問しました。2013年、2016年に次ぐ3度目の現地での研修・調査です。

最初の4日間は首都ビシュケクに宿泊しました。緯度はほぼ札幌と同じで、毎日が気持ちの良い快晴、至る所に用水路があり水が豊富に流れ、大通公園のような公園がある親しみのある街です。JICA事務所への挨拶から始まり、農業食糧省の農協開発発展課やキルギス国立農業大学、キルギス協同組合連盟(Cooperative Union of Kyrgyzstan:CUK)への訪問の後に、農協関係者を集めた2日間にわたるフォーラムを開催しました。北海道の農業の概要から、農協の歴史的発展の話、日本の農協の営農指導、農協の組織化の話などの講義を行い、その後CUKなどの現地の農協関係者の事例発表を行いました。最後には、テーブルを囲んでディスカッションが行なわれ、「女性の組合員の活動のアドバイスがほしい」「いくつかの州から集まっている農協はどうしたらうまくまとめられるのか」など積極的で具体的な意見・質問が飛び交いました。

25~28日はCUKのタライ氏とミラント氏の同行により、イシククリ湖を南側から一周するコースでその周辺の農協を訪問しました。中央アジアを対象とした農民組織のコースは約20年続いています。研修生OBはそれぞれが独自に農協活動への挑戦を行っており、その伝手をたどり調査先を選定しています。今回はコチコル・ロジスティック農協、イシククル有機農協、イチュケスー農協、バグレンツーヴォ農協の4農協を訪問し、それぞれ2時間ほどの聞き取り調査と視察を行いました。

キルギスは中央アジアのスイスと呼ばれているように標高の高い所が多く、首都のビシュケクでも800m、アラトー山脈を抜けて最初にいったコチコル市でも約1,700mあり、調査は少し息苦しいような気がしましたが、無事予定通り終えることができました。内容については報告書で詳しく触れようと思います。今回の調査で印象に残っているのは、家畜の群れを見たことです。農家は夏に耕地で自給用・販売用の小麦やジャガイモ、冬の家畜飼料を育て、その間家畜は村でまとめて数十~数百km離れた共有の自然草地(ジャイロ)へ連れて行っています。家畜の群れと馬でそれを操るキルギスの若者を間近で見て、食物を生産する営みの違いを実感しました。

ビシュケクにもどり、JICA事務所ならびにCUKと今後の活動についての意見交換を行い、北海道と類似点の多いキルギスの農業発展のために、研修を続けること、そしてその内容をより具体化させることなど、今後も力を入れていく方向で話し合いは進みました。

(星野あかり)

中国の有機野菜の加工工場を再訪問 2017/08/08

協同組合のレーゾンデートル研究室ではアジアの農協や農家の組織化について調査を実施しています。その一環として、高慧琛氏が中国山東省博興県にある有機野菜加工工場(龍昇食品有限公司)を再訪しました。

龍昇食品有限公司は、設立の初期には興福農場の範囲内の農家と契約生産を試みました。会社は生産計画のもとで、契約農家あるいは地元の栽培専門家と委託契約を結び、収穫後に買い入れするという中国の沿海地域で一般的な「企業+農家」協力方式を採用してきました。しかし、有機農業の基準がより厳格になり、契約農家に対する管理コストも一層高まっており、有機農産物の汚染事件も発生したため、会社は契約方式あり方を変化させています。今後、今回の補足調査結果をまとめて論文化する予定です。

栗山町での農家泊まり込み実習を実施 2017/07/08~11

当研究室は協同組合学研究室とともに、学部2年生(27名)と韓国からの学部留学生(1年間、2名)、計29名を対象として、栗山町において農家泊まりこみ実習を行いました。実習期間は7月7日(金)から9日(日)まで、2泊3日間でした。これは1997年から実施されているもので、今年で20年目になる歴史の長い実習科目です。

7日(金)は9時に大学院生の引率の下で、栗山交通の貸し切りバスを利用して栗山町役場まで移動しました。10時半からは栗山町農業振興公社で1時間にわたって農家のお話を伺いました。今年は栗山町農業振興推進委員会の藤井吉美会長より、栗山町農業についてのお話を聞くことができ、参加学生からの質問とそれに対する答えを頂きました。

12時40分からは受け入れ式がありました。町産業振興課長の高間嘉之氏から栗山町の紹介を兼ねたご挨拶を頂きました。その後、迎えに来られた農家・農業生産法人のみなさんに同行して、1日半の泊まり込み実習が始まりました。

今回の受け入れは10の農家・農業生産法人であり、北大農経出身者も含まれています。

参加学生は8日(土)の夕方まで各農家・法人で実習を行い、夕方には農家の皆さんおよび栗山町の関係者と一緒に町内の焼肉店で懇親会を行い、農家と学生間の交流を深めました。宿泊は栗山町農業振興公社が管理・運営している新規農業就業者のための宿泊施設をお借りしました。

9日(日)には、離農の多発で遊休地化していた栗山町桜丘ハサンベツ地区を、自然と農業と人とが共生する里山、ふるさとの川として再生する取組みを展開している「ハサンベツ里山プロジェクト」の月例会に参加しました。午前中はハサンベツ川の洪水防止のための小堰堤(砂防ダム)を3つ作る作業に汗を流し、午後からはプロジェクトの代表である高橋慎氏の案内で活動内容を紹介頂きました。

今年の農家泊り込み実習は最も暑い期間中に行われましたが、事故もなしで無事に終了することができました。受入農家・法人、栗山町関係者のみなさまに、この場をお借りしてお礼申し上げます。