栗山町で学生受け入れ農家などと懇談会を実施 2018/11/30

7月に実施された農家泊まり込み研修を受け入れていただいた農家、9月のJAそらち南農協インターンシップに協力していただいた関係者との懇談会が11月30日に栗山町で開催されました。受け入れ農家5名、栗山町・農業振興公社から7名、農協の関係者2名の皆さんと農業経済学科の6名の教員(坂下明彦、柳村俊介、坂爪浩史、東山寛、小林国之、申錬鐵)、計18名が参加しました。

懇談会では、初めて農家泊まりグループと合宿グループに分けて農家実習を行ったことについて多様な意見や感想が披露されました。さらに、20年を越える長い歴史をもつ栗山農家実習を今後とも継続していく必要性についてたくさんの方から語られました。

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キルギス共和国における農協調査を実施 2018/11/10~18

中央アジアの農民組織の強化に関するJICA研修コースにより、帰国研修員のフォローアップを目的とした現地調査を行いました。期間は11月10日から18日までで実質滞在はおよそ一週間、場所は主にキルギス共和国北部のイシククル州でした。調査団の団長は坂下先生で、団員は小林先生、㈱アジア地域連携研究所の中村氏、ロシア語通訳の野村氏、北大院生の星野の計5名です。

11日夜に首都ビシュケクに到着し、翌日には農業省や農業大学を訪問、13日には首都近郊にある農協の役員であるカシム氏から現在の取り組みについて聞きました。現在のキルギスの農政では、国の農業発展に需要な役割を持つ組織として農協を位置づけているが、それは土地集積・規模拡大を目的とした色が強く、現場で活発となっている動きとは少し異なったもののようでした。農業大学は今年のICAのフォーラムへの参加をきっかけにワーキンググループを作り、農協組織の普及拠点となる「情報・研修・コンサルティングセンター」の設置の実現へと大きな一歩を踏み出していました。

13日午後からは車で7時間ほどかけてイシククル州カラコル市に移動し、翌日から周辺の3つの農協に調査に行きました。初めに訪れた「アクドボ農協」は3つの村の男女28名が組織されている農協です。前身がボランティアの組織であったため事業はまだ確立されてはいませんでしたが、民主的な運営を心掛けている組織でした。次に伺ったのが「イシククリ有機農協」です。外国の支援機関の資金により3郡にまたがって組織された女性中心の農協で、今まで主にドイツからの有機ハーブの需要に応えてきましたが、今年からその契約が打ち切られ、販路確保に奔走しているところでした。「イチュケス農協」は、研修員のイシェム氏が作った農協で、主にリンゴの販売を行っています。今回はリンゴの倉庫の見学と、ジュース会社による加工や新しく植えたリンゴの苗の話を聞き、事業が年々活発になっていることがわかりました。

最後にキルギス協同組合連盟(CUK)との話し合いでは、このように活発に動いている農協が同じ方向を向いて協力し合えるように州段階の連合会が必要という意見が出され、そのための農協フォーラムを来年イシククル州で行うことが提案されました。私たち調査団も、今まで集めた個々の農協の質的なデータをまとめ、各地域ごとの農協の類型化を図りたいと思います。

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JA事業展開についての聞き取り調査を実施 2018/11/6

農林中央金庫総合研究所の3名、JAバンク北海道サポ-ト基金の2名、当研究室のスタッフの2名、計7名は11月28日から29日にかけて、北海道十勝地方に所在する更別農協と陸別農協を訪れ、JA事業展開についての聞き取り調査を実施しました。

28日午後からの更別農協の聞き取りでは、管内の農家と後継者・新規就農者の参入状況、そして、コントラクター事業などの外部農業支援組織の設置状況を踏まえた農協の農業振興計画と中期経営計画について説明を受けました。その後、大規模化が進展している農家に対する営農指導の内容と組合員の高齢化と担い手減少に伴う、農地流動化の状況とその課題についての質問がありました。

翌日の午前からは陸別農協に移動しました。陸別農協では、更別農協と同様に、農協の農業振興計画と中期経営計画について説明を受けました。その後、場所を移り、農協出資法人(株)ユニバースに訪問し、設立・運営、組織体制のほか、省力化を可能とする機械体系の特徴点、作業体制、労務管理などの飼養管理についてのお話を伺いました。

 

韓国組合共同事業法人代表らと当麻農協を訪問 2018/11/6

2018年11月6日(火)に当研究室のスタッフ(坂下明彦教授、申錬鐵特任准教授)は組合共同事業法人代表3名とスイカ選別機会社の職員2名で構成された韓国の視察団とともにデンスケスイカの生産と流通についての聞き取りのため当麻農協に訪問しました。

韓国の組合共同事業法人とは、農協中央会の信用事業と経済事業の分離という事業構造再編に伴って、経済事業の活性化を図る取組みの一つですが、具体的には、単位農協の経済事業を連合して法人格をもつ広域販売連合会を設立し、それを通じて農産物販売を行うことです。

今回の視察団は韓国全羅北道でスイカ産地を形成していることから、当麻農協が実施しているデンスケスイカの産地形成と販売システム、高品質・高ブランド化戦略などについて説明を受け、現地の事情を踏まえた活発な質疑応答が行われました。

公開講座「北大を散策しながら農協を考える」第4回「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接にかかわっている農協」を開催 2018/10/27

第4回公開講座が2018年10月27日に行われました。計14名が参加した今回の講座は「ミルク:牛乳の生産・加工・流通に密接にかかわっている農協」がテーマで、第1部の北大施設見学と第2部の講義に構成しました。

第1部は、北海道酪農業の振興に大きな役割を果してきた札幌農学校第2農場(モデルバーン)の見学でした。北大総合博物館の協力の下で、近藤誠司名誉教授よりモデルバーンの設立から各施設の紹介などの説明を聞きながら施設見学を行いました。

第2部では、農学部S302会議室に移動し、清水池義治講師より講義を受けました。講義では、まず、多様な牛乳・乳製品の種類について紹介した後、牛乳・乳製品の消費動向および北海道での生産量についての説明がありました。その後、現在の北海道酪農を都府県の酪農と比較しながら特徴づけました。最後には、生乳の流通を踏まえながら、農協による生乳共同販売の必要性と特徴に語り、生乳の安定供給のための農協による公平な配分が最も重要であると強調しました。

第5回公開講座は2019年2月23日(土)に行う予定です。

韓国江原道で農村調査を実施 2018/10/24~25

韓国江原道で農村マウル及び機関調査を行いました。10月24日から25日、両日間実施した調査は農村での女性活動がマウル展開にどのような影響を与えたかを調べるのが目的でした。この調査には当研究室のスタッフ3人(坂下明彦氏、朴紅氏、申錬鐵氏)のほか、正木卓氏、朴イェソル院生が参加し、韓国の李栄吉氏・李尙炫氏(江原大学)も同行しました。

24日は農村マウル調査として、麟蹄郡の下楸里と洪川郡の豊岩2里を訪問しました。調査内容はマウルの歴史とともに、マウル内の農村女性組織とマウル展開における役割について聞き取りを行いました。特に、農村体験マウル及び情報化マウルなど多様な形態としてマウル企業を設立して、マウルを中心としたコミュニティビジネスを展開する下楸里の事例が印象的でした。

25日には、女性農業者の育成と支援を行っている韓国女性農業者江原道連合会に訪問し、設立背景と目的、事業内容について聞き取り調査をしました。

両日間実施した調査内容をまとめ、2018年日本農村生活学会北海道大会にて個別報告する予定です。

第25回日韓シンポジウム・第12回東アジア農業シンポジウムを開催 2018/10/22~23

10月22日から23日にかけて韓国江原道麟蹄郡で第25回日韓シンポジウム・第12回東アジア農業シンポジウムが開催されました。このシンポジウムのテーマは「麟蹄郡における農村体験観光の活性化のための統合管理方案」です。日本では坂下明彦氏をはじめ、松木靖氏、加藤肇子氏、正木卓氏、申錬鐵氏、計5人が、中国からは7人の研究者が参加しました。

10月22日に行われたシンポジウムでは、開会式の後、日本・韓国・中国の研究者により5件の報告がありました。韓国側では李香美氏(韓国農漁村研究所)が「麟蹄郡における農村体験マウル(集落)の実態分析と改善対策」を、孫在榮氏(江原大学)が「農村体験マウルにおける民間中間支援組織を通じた総合的管理運営方案」を報告しました。日本側では、松木靖氏(北海道武蔵女子短期大学)の「麟蹄郡農村マウル観光の評価と将来への期待」、加藤肇子氏(北海道大学)の「日本における農村ツーリズムの現状-北海道鹿追町の事例を中心に-」の報告がありました。中国では江金氏より「中国農村における中高齢者の労働供給と雇用配分に及ぼす健康の影響」が報告されました。

23日には麟蹄郡の農村体験マウルを訪問するエクスカーションがありましたが、日本の松木靖氏・加藤肇子氏・申錬鐵氏は麟蹄郡の農村体験マウル代表と意見交換を行う時間をもちました。ここでは、韓国で農村体験マウルを展開していく中で生じている様々な問題を日本ではどのように取組み・解決しているのかについて活発な意見交換及びアドバイスがありました。

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そらち南農協でのインターンシップを実施 2018/9/26~28、10/1~3

今年のそらち南農協インターンシップは9月26日から28日まで、10月1日から3日まで2班に分かれて行われました。例年は月曜日から金曜日まで1週間で行いますが、今年は9月下旬に2週連続で月曜日が休日になったため、2週にわたって行うことになりました。なお、9月5日の台風と6日の北海道胆振東部地震により、開催が1週間遅れました。

そらち南農協インターンシップは学部2年生の必修科目「協同組合学」(担当:坂下明彦氏)の一環として行われており、受講者27人(うち、韓国交換留学生2人)が参加しました。

各班は1日目に受け入れ式とそらち南農協の施設見学を行い、2日目には参加者全員が栗山営農・由仁営農・米施設・栗山青果施設(ジャガイモ)・由仁青果施設(カボチャ)、それぞれに配属され研修を受けました。最後の3日目は農協職員との座談会を実施しました。座談会では2日間の研修を通じて得られた経験をもとに、農協と農協事業についてより具体的理解する時間を持ちました。

台風や地震の自然災害があったにもかかわらず、今年の農協インターンシップが無事に終了できたのは、そらち南農協の積極的な協力があったからだと思います。この場をお借りしてお礼申し上げます。

また、栗山町農業振興公社についても宿泊施設の提供をして頂きました。御礼を申しあげます。

公開講座「北大を散策しながら農協を考える」第3回「アグリ:農業を支える農協」を開催 2018/9/24

2018年9月24日(月)に公開講座「北大を散策しながら農協を考える」の第3回講座が開催されました。今回はJAさっぽろの合併20周年記念祭の会場に設置した当研究室のブースにおいて行われました。13時40分から14時10分まで約30分間行われた講義では、小林国之氏により「アグリ:農業を支える農協」をテーマに農協の性格について踏まえながら、農協事業の種類と役割、昨今の農協改革についての説明がありました。

最後には食と暮らしを支える農協の未来について、①農協の支店を拠点としながら地域との繋がりを先導し、②組合員1人1人が主役であり、③お互いさまから助け合いを実現させていく、青写真を提示しました。

30分という短い時間にもかかわらず、事前受付者40人を含め70名以上が聴講し、農協についてより具体的に知りたがっている意識を感じることが出来ました。

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公開講座「北大を散策しながら農協を考える」第2回「フード:食料の確保および食の安全・安心を支える農協」を開催 2018/8/18

公開講座「北大を散策しながら農協を考える」の第2回目講座を2018年8月18日(土)に開催し、JAさっぽろの組合員や職員など18名が参加しました。

参加者は、まず北海道大学構内の農学部ローン前で開催していた「北大マルシェ」に参加。道内各地から集まった生産者や農協などが出店するブースを巡り、各地域の特色を活かした料理や農産物、生産者との交流を楽しみました。

その後、場所を北大農学部農経会議室(S302)に移し、栗山町役場経営企画課の金丸大輔氏(社会人大学院生)より「フード:食料の確保および食の安全・安心を支える農協」をテーマとした講義を受けました。

講義は、講師の地元である栗山町を事例として①栗山町の概要、②栗山農業の歴史、③札幌農業と栗山農業を比べて、④栗山の環境で育まれた食・農、⑤栗山農業の中での農協の役割、⑥食・農を担う人材の育成の6つの項目により話が進められました。

農家戸数の減少や高齢化が進む中で、安心・安全の食料を安定的に生産・供給し続けるためには、農業者の確保や育成が急務ですが、JAと役場が出資した第三セクター「一般財団法人栗山町農業振興公社」による新規参入支援や後継者育成などの取り組みや、人材育成におけるJAの役割について説明がありました。

また、農業を支援する組織であるJAや役場が広域化しても、歴史や自然環境等の地域性に目を向け、地域の実情に沿ったきめ細かい支援が農業振興に大切であることを強調しました。

講義後、参加者からは栗山町の新規参入支援や農地流動化、都市農村交流の具体的な取り組み方法について質問がありました。

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