公開講演会「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」を開催 2018/1/22

当研究室では1月22日13時から北大農学部W109講義室で公開講演会を開催しました。講演会には学生を含め大学院生、研究者、農協の関係者など計70名以上が集まりました。

講演会のテーマは、最近、農協の事業展開において独禁法適用除外問題が大きな話題となっていることから。「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」としました。講師は農協の独禁法適用除外問題を長年の間研究され、最近、『反トラスト法と協同組合』を執筆された福島大学名誉教授高瀬雅男先生にお願いしました。

高瀬先生は最近の農協に対する公正取引委員会による法運用には、「個々の事例に対する独禁法適用は適切か」と「適用除外制度の目的からみて適切なのか」の2つの問題があり、それについて検討するためには①適用除外制度の母法であるアメリカの反トラスト法適用除外立法の適用除外の根拠と範囲、②排他的販売契約の適法性を検討する必要があるとしました。

講演会の前半では、独禁法の目的と体系が述べられた後に、協同組合のための独禁法適用除外の必要性をアメリカにおける協同組合運動の展開と関連付けて説明しながら、農協の独禁法適用除外においての解釈の方向性は内部行為適用除外の方向で解釈すべきであることを強調しました。

続いて、後半には土佐あき農協事件と阿寒農協事件を事例としながら、公正取引委員会の法適用についての見解を明らかにしました。特に、農協の専属利用契約は契約期間を数年から10年とし、年に1回契約を離脱する機会を保障し、実損程度の損害賠償額を予定すれば、公正競争に対する阻害性がなく強化すべきだとしました。

最後には、聴講者から質疑応答を行い、農協への独禁法適用除外についての活発な議論の場となりました。

講演会終了後には、2017年度第2回アドバイザリー委員会が開催され、当研究室の今年度の活動実績と次年度の計画について報告されました。さらに、活動内容についての様々なコメントを頂きました。


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「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」を開催予定 2018/01/22

協同組合のレーゾンデートル(農林中金寄附講座)では以下のような公開講演会を開催いたします。

○公開講演会「農協への独禁法適用除外の根拠と公正取引委員会の最近の法運用」

・講演者:福島大学名誉教授 高瀬 雅男氏
・日時:2018年1月22日(月)13:0015:00
・場所:北大農学部 W109講義室

【背景】
■農協の存在を揺るがすような政治的な攻勢が強まっています。そのなかで、公正取引委員会による農協の事業に対する行政命令・指導・注意などの連発が目につきます。

■農協事業は中小規模の農家のための事業なので、独禁法の適用除外を受けているにも関わらずです。適用除外には不公正な取引方法を用いた場合には除外を解除するという「ただし書」があり、公取委はそれを盾にしているようです。

【講演の内容】
■農協にはなぜ独禁法の適用除外がなされてきたかを、アメリカのアンチトラスト法に遡って解説します。
■日本の独禁法のなかでの適用除外の意味と公取委の法の運用について検討します。
■最近の公取委による農協への行政命令や勧告、注意などが法の運用上どのような問題があるかを解説します。
△高知県土佐あき農協に対する共販組織をめぐる排除措置命令
△北海道の阿寒農協に対するMMJへの生乳出荷をめぐる「注意」
■農協への全量出荷(専用契約)を適用除外すべきことを論じます。

【高瀬先生のプロフィール】
1945年栃木県生まれ。東京都立大学法学部卒業、同社会科学研究科博士課程中退。
鹿児島大学、高知大学を経て福島大学助教授・教授。2011年に定年退職。専攻は経済法。
著書に「協同組合と独占禁止法の新展開」日本経済法学会編『経済法講座1巻』2002、
高瀬雅男『反トラスト法と協同組合』日本経済評論社、2017(今回の参考文献)など。

京都大学の寄附講座との連携で高慧琛さんが講演 2017/12/2

2017年12月2日、京都大学大学院農学研究科寄附講座「農林中央金庫」次世代を担う農企業戦略論第12回(秋期)シンポジウムは京都大学農学部総合館W100で「地域が/を支える先進的農業経営体」をテーマとして開催された。

本研究室の高慧琛さんは「中国におけるCommunity-supported Agriculture(CSA)」のタイトルで講演を行い、中国の農業生産者と消費者の関係の新たな構築について詳しく紹介した。また、北海道における同様の動きについても言及し、CSAの重要性を強調した。

その後のパネルディスカッションでは、京都の先進農業経営体(野村牧場・㈲亀岡牛人見畜産)の代表者がシンポジウムのテーマにかかわって報告を行い、㈱農林中金総合研究所の若林剛志氏がそれについてコメントを行った後、出席者全員が活発な討論を展開した。


栗山町で学生受け入れ農家などとの懇談会 2017/11/24

7月に実施された農家泊まり込み研修を受け入れていただいた農家、関係者との懇談会が11月24日に栗山町で開催されました。受け入れ農家、栗山町、農業振興公社、農協などの皆さんと農業経済学科の7名の教員(坂爪、柳村、近藤、坂下、澤内、清水池、高)が懇談しました。今回は1997年開始から20周年でもあり、みなさんからさまざまなトピックスなどが披露されました。受け入れ条件は厳しくなっているものの、今後も継続していくことが確認されました。なお、今年度中に20周年記念誌を発行する予定です。


北大調査実習受入農家等懇親会

第24回日韓シンポジウム・第11回東アジア農業シンポジウムを開催 2017/10/22~25

10月22日から25日の日程で北海道大学で行われた第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムにおいて当研究室が事務局を担当しました。日韓シンポジウムは韓国の(社)江原道農山漁村未来研究所と日本の北海道農業研究会が、両国の農業及び農村の発展のために1993年から毎年定期的に相互開催している学術交流で、本年度で第24回目を迎えました。また、2006年からは中国東北地方の研究者も参加する「東アジア国際農業シンポジウム」を兼ねて実施しています。

韓国から9名、中国から12名、そして多数の日本の研究者が参加した今回の日韓シンポジウムは、「農業労働力問題の現状と対応方策」をテーマとし、3カ国の農業部門において重要な課題となっている農業労働力問題について議論しました。

22日に行われたシンポジウムでは、日本の宮入隆氏(北海学園大学)が「北海道農業における外国人技能実習生の受入実態と課題」を、韓国の李尙炫氏(江原大学)が「Employment Status of Foreign Workers in Agricultural Sector and Issues」を、中国の李旻氏(瀋陽農業大学)が「The Influence of Human Resource Capacity on Occupational Mobility of Female Migrant Workers – Evidence from Liaoning Province」をテーマにして基調講演をしました。なお、若手セッションでは5件の報告がありました。当研究室からは、高慧琛「Organic farming in a Chinese metropolis: A general framework for unpacking the glocalization」、王エン「Present condition and problem of family support in rural China: Southern Jiangsu Province -A case study of Kaixiangong Village-」が参加しました。シンポジウムでの報告論文及び投稿論文は論文集(英語)としてまとめ発刊・配布しました。

23日には当別町の篠津中央土地改良区「泥炭資料館」とさっぽろさとらんどを訪問し、北海道における土地改良の状況と農業体験の実状についての説明を受けました。

第24回日韓シンポジウム兼第11回東アジア農業シンポジウムの開催に当たり、後援を頂いた北海道地域農業研究所とJAバンク北海道サポ-ト基金にお礼を申し上げます。

なお、今回をもちましてこれまでの形式による日韓シンポジウムの札幌開催は終了しました。


報告論文及び投稿論文は論文集

JICA キルギスの農民組織化コースを実施 2017/10/04~26

中央アジア地域農民組織強化プログラムでは、2016年に続き二回目になるキルギス単独のコースを実施しました。メンバーは、キルギス協同組合連合(Cooperatives Union of Kyrgyzstan:CUK)、キルギス国立農業大学、農業食糧省から各1名、3農協(イシククル有機農協、コチコル・ロジスティック農協、ザニル・ヌー農協)から1名ずつ、そしてキルギス野菜種子プロジェクト(Kyrgyzstan Vegetable Seeds : KVS)から6名(3名職員、3名組合員)の12名です。5月の研修と同様に10月3日から26日の約1カ月の研修期間で、さまざまな先生方の講義を受けたり、農家や農協、中央卸売市場、中古機械の販売所、試験場などの見学を行ったりしました。

コース長の坂下明彦氏は、まる1日かけて農協の講義を行い、3度にわたってコース修了後に提出するアクションプランの指導に当たりました。また、ようてい農協や合併直後の振興計画に関わったというとうや湖農協の組合員への視察にも同行もしました。指導の中では、各自の状況の把握も行われ、キルギスの各農協関係機関の現在の状況を知ることができました。

通常の研修コースよりも多い人数でしたが、一国での開催ということで終始和やかな雰囲気でまとまりがあり、質問の量も多く、その内容も具体的で、真剣さが伝わりました。また、研修員同士の交流・議論も深まった様子で、講義の内容も人間関係も今後にかなり活かされそうなアクションプランとなりました。これらを反映させるために、今回は新しい試みとして12名のアクションプランを一つの報告書にまとめることにしました。来年の2月に再び我々が現地を訪れるときには、報告書の発表を行う予定です。

(星野あかり)


Kirugisu

そらち南農協でインターンシップを実施 2017/09/25~29

学部2年生の授業である「協同組合学」(坂下明彦担当)の一環としてそらち南農協でインターンシップが実施されました。2017年9月25日から29日にかけて行われた今回の農協インターンシップでは授業受講者30名(うち韓国人交換留学生2名)が参加し、参加者30名は2つのグループに分かれ、第1班は9月25日から27日まで、第2班は27日から29日までの日程で研修を行いました。

各グループは収穫支援、種イモ選別場、営農指導巡回等、農協の事業ごとに班を設け、参加学生はそれぞれの班に配属して研修を受けました。例年は米施設での研修を行っていましたが、今回は圃場条件が悪く機械収穫のできない4haの生食用「とうきび」の収穫支援の仕事が急きょ飛び込んできました(第一班)。第二班年はその選別・箱詰めの一部のお手伝いをしました。を米の収穫時期が遅れ、米施設での研修が難しく、トウモロコシ収穫を支援する研修となりました。これは予想外でしたが、農協が農家の作業リスクに対して直接支援している実態を経験できたことは要な意味があると考えています。

インターンシップの終了後、「協同組合学」の授業では個人・班ごとの研修内容とそれに伴う感想を発表する機会を設けており、その内容は冊子として発行する予定です。

今年のそらち南農協でインターンシップも例年のように、そらち南農協の関係者の皆様の格別な配慮の下で、大きな事故なしで無事に終了することができました。また、栗山町農業振興公社についても宿泊施設の提供をして頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。


協同組合学研究室の高橋祥世さんが日本協同組合学会誌奨励賞を受賞 2017/09/23

2017年9月22日から3日間にわたり徳島大学で開催された日本協同組合学会第37回大会において、協同組合学研究室の博士後期課程 高橋祥世さんが学会誌奨励賞を受賞しました。この賞は日本協同組合学会の学会誌『協同組合研究』への40歳以下の会員の積極的な論文投稿をうながすために今年から創設されたもので、高橋さんは受賞第1号となりました。

受賞論文「農協の総合的事業展開における女性部再編の意義-福岡県にじ農協を事例として-」(『協同組合研究』第36巻第1・2号合併号に掲載)は農協における女性部の役割を農協の事業展開に積極的に位置づけ、その意義を提起したものです。

申錬鐵著『養豚経営の展開と生産者出資型インテグレーション』が日本農業経営学会賞奨励賞を受賞 2017/09/15

2017年9月14日から3日間にわたり九州大学の西新プラザ・伊都キャンパスで開催された2017年度の日本農業経営学会において、申錬鐵氏が学会賞奨励賞を受賞しました。

著書『養豚経営の展開と生産者出資型インテグレーション』は、博士論文をまとめたもので、家族養豚経営が多様なかたちで展開している実態に注目し、その中での生産者出資型インテグレーションと位置づけた経済システムと家族養豚経営の展開についての関係性を解明したものです。


A1SaghM+UBL

韓国における農協販売事業についての調査 2017/09/08~17

協同組合のレーゾンデートル研究室では2017年9月8日から17日まで韓国の農協販売事業についての現地調査を行いました。この調査には北海道大学の坂下明彦・朴紅、申錬鐵・黄成壹・峰尾光人、弘前大学の正木卓の6名が参加しました。

韓国では農協中央会の組織・事業再編と同時に、農協の販売事業の強化・拡大をめざしています。中央会主導の連合事業団方式から始まり、現在では組合共同事業法人の設立が進んでいます。北海道でもかつては広域販売事業連合会がマーケティング戦略のひとつとして考えられました。しかし、現在では農協合併によりほとんど存在していません。こうした経験も踏まえながら今回はさまざまなタイプの農協の動きを調査しました。対象農協は、全羅北道の茂朱郡・南原市、慶尚南道の晋州市、江原道の春川市・平昌郡の連合事業団および組合共同事業法人であり、それぞれの設立経緯と販売事業展開上の特徴等について聞き取り調査を行いました。